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スコッチをくれないか。

暇だからハンターハンターの二次創作小説でも書こうと思う。第3話

暇だからハンターハンターの二次創作小説でも書こうと思う。第3話 ヘブン

 

生活保護者特別地区』通称、ヘブン。
40年前、生活保護者に関する法律が大幅に変更された。
否定的な世論の多い生活保護法案、時の与党は、『限定的な地域で保護する』ことを決定した。

当然、生活保護受給者から「自由を奪うな!」などの意見は出たが、政府の見解は、「保護はする。だが、日本全国どこにいてもお金を手渡しに行くのは、管理上不効率である。よって保護の場所、施設はこちらが用意するので、そちらで保護を受けるように」

というものだった。

結果できたのが、無人島に作られた保護地区である。
生活保護受給者の審査を通ったものはここに住所をおくことが条件となる。
ワンルームのマンションが大量に並んでおり、住民はそこで暮らす。
生活保護給付金は電子マネーにより半月に一回、給付され、管理される。
貯金をすることは許されていないため、使い切らなくてはならない。

街には場外馬券場、パチンコ店、風俗店などもあり、全て国営で行われている。
住人は働く必要はない。

ただお金を受け取り、消費するのみである。

二週間に一回、住人は健康診断という名目で、200mlの献血を義務付けられている。
年間2400mlである。

それは一般的に推奨される献血量の約倍である。

名目は健康診断だが、実際は血液を税金の代わりに回収している。

当然、その程度で管理費を回収ことは不可能であるが、給付された生活保護費は基本的に国営の施設で消費されることと、全国に点在していた生活保護の管理機関がまとまったことで、従来と比べ大幅に経費は削減された。

国民は皮肉を込めてこの島をヘブン(天国)と呼んだ。

 

ヘブンの住人は基本的に子供を作ることを許されていない。
そもそも子供を育てる財力を有していないことが、生活保護費受給の条件となっているからだ。

しかし、去勢手術などは虐待とされるため強要できず、あくまで注意勧告と、子供ができた場合に給付金の減額などのペナルティに止まる。

できてしまった子供は実親が育てることができないため、里子に出される。
その場合、基本的な生活費は里親が負担するが、学校教育費、予備校費などは国から融資され、上質な教育を受ける。

国はヘブンで子供を設けることを許していないが、結果的にできてしまった子供は納税者となるため優秀に育てるのだ。

 

その時受けた、多額の学費融資は生涯を通して返済義務があるが、国立の国防大学に進学することで免除される。
6年制の大学の推薦枠が生活保護受給者の子供には与えられている。

ここに進学すれば、それまでの学費融資の返済義務だけでなく、この大学自体の学費も免除される。

 

こう言えば聞こえはいいが、実際は6年に及ぶ無償の兵役である。

国はこれにより、これまでの学費融資を回収している。
防大学は偏差値も高く、就職にも非常に強い。優秀な納税者になってくれる仕組みを作っている。

 

 

山崎陣の産まれ故郷はヘブンだった。

 

 

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記憶はない。産まれただけだけら。
いつからだったか覚えてないが、自分がそうゆうところで産まれた子供なんだってことは知っていた。

特にいじめられたことはなかったし、勉強もできた。

 

ただ、なんのために産まれてきたのかがわからなかった。

 

育ての親は優しくしてくれたし、不自由のない生活をさせてもらえたと思ってる。
ただ、いつも周りは感情の薄い俺を心配していた。

 

不自由はなかったはずなのに、なぜか何も持っていないような、虚無感。孤独。

不満はなかった。不安もなかった。ただどこか、終わりを探していた。

いつの間にか始まったものはどうやったら終わるんだろうって。

大人になって、仕事に触れて、責任や、使命を感じて初めて、遅れてきた感情が体温のように存在感を出し始めた。

 

ただ、たまに子供の頃を思い出す。自分はどこから来たのだろう、と。
ぐるぐると考え、そこに行けばなにか変わるんじゃないかって思っていたことを。

 

ただそれは無理みたいだから、諦めていたら、いつの間にかそんなことすら忘れかけていた。

それは大人になったことなんだってことにして、ごまかしてきたことだった。

 

 

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生活保護受給者は罪人ではない。つまり囚人ではない。つまり、拘束することができない。

いくら島に住所を置くといっても、閉じ込めることは法律が許さない。
つまり住人は2日に一回の船で島を自由に出入りすることができる。

ただ、実際にこれをするものはほとんどいない。
する意味がないからだ。

 

国は人がこの島から出ることを禁止することはできないが、入ることを禁止することはできる。

それは、国の所有の敷地ということで立ち入り禁止にすればいいだけだからだ。

 

国はトラブル回避のため、生活保護者として認定されたもの以外の島への上陸を禁止している。

 

山崎は一生、自分が産まれた島に上陸することはないと思っていた。

 

それが今回、警察の捜査協力という形で叶うことになった。

 

複雑な気持ちだった。これで人生が変わると思うほど、山崎の精神は未熟ではなく、充分に成熟していた。

 

ただほんの少し、一人で泣く、幼い頃の自分を思い出した。

 

 

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